海外駐在経験者
クロストーク
CROSS
TALK

何事も学びと捉えるチャレンジ精神が
海外での活躍の近道に

海外に多くの拠点を持ち、外国での駐在機会も多い大同興業。本クロストークでは、インドネシア・ジャカルタ駐在、タイ・バンコク駐在、大同特殊鋼グループ会社のメキシコ拠点での駐在を経験した3人がそれぞれの経験や想いを語り合いました。
松橋 拓TAKU MATSUHASHI
鉄鋼営業本部 鉄鋼第一部 自動車チーム
チームリーダー(東京)
2004年入社
泉 潤一郎JUNICHIRO IZUMI
磁材営業部 磁石チーム
チームリーダー (名古屋)
2005年入社
紺野 昴SUBARU KONNO
鉄鋼営業本部 鉄鋼第一部
自動車チーム(東京)
2015年入社
入社してから現在までの経歴を教えてください。
松橋:
私は2004年入社で、名古屋で国内鉄鋼製品の営業、東京で貿易チームの経験を経て、2013年から5年半、インドネシアのジャカルタに駐在しました。帰国後は貿易チームに戻り、よく若手と一緒に海外出張に行っていましたね。コロナ禍により頻繁に海外出張に行く機会は減りましたが、以前は月の半分は海外で働いていたほど。今後またチャンスができたら、若手を連れていきたいなと思っています。
泉:
私は松橋さんの1つ下で2005年入社です。東京支店・自動車チームで国内営業を5年、素形材チームで6年、それから鉄鋼貿易で1年、台湾や中国、タイ、欧米向けの輸出材料を担当しました。その後、タイ・バンコクの現地法人に4年駐在し、現在は磁石チームでチームリーダーを担っています。
紺野:
私は名古屋で自動車チームを4年経験後、大同特殊鋼グループ会社のメキシコ拠点に1年間駐在しました。2年の予定でしたがコロナ禍の影響で急遽帰国が決まり、現在は東京で自動車部品(バルブ)メーカー向けの営業を担当。お客様からの内示(使用予測)情報をもとに、大同特殊鋼(株)に発注・調整などをしています。
海外勤務に興味を持ったきっかけや、駐在経験を教えてください。
泉:
駐在が決まる前は、台湾や中国、欧米との輸出やりとりが多く、海外に行きたいと手を挙げていましたが、実際にタイで働くことは想像もつきませんでした。
松橋:
辞令は突然やってきますからね。私はインドネシアの現地法人が立ち上がって半年も経たないタイミングで行くことになり、現地にいたローカルスタッフ2人と組織づくりをゼロから任されました。
海外にはずっと行きたくて、「海外赴任」を目標に頑張っていたところがありました。経験した今では日本にいても海外にいても、できることはたくさんあるな…と思えます。ただ当時の目標に向かって邁進していたエネルギーも、貴重だったなと感じています。
紺野:
私はメキシコでの駐在経験はありますが、コロナ禍の影響で1年となってしまい、生活や業務の流れが見えてきた頃に帰国となりました。メーカー側で仕入担当を経験し、買い付ける側の視点を得られた1年でしたが、もっと長くいてたくさんのことを吸収したい、という想いはありました。次にチャンスが来たときにもっと活躍できるよう、今は目の前の仕事に全力で取り組みたいと思っています。
海外駐在経験で得た学びややりがい、大変だったこととは?
泉:
タイの現地法人は、ローカルスタッフが20人、日本人駐在員も4人ほどいる比較的大きな拠点でした。成熟したマーケットで扱う商材も鋼材、機械、部品、磁石まで網羅していました。現地に進出している日系メーカー向けの仕事のほか、現地工場を介して日本やアジア各国との取引も多くありました。
人材育成から経理や決算業務、採用までやるべきことが多く、1つの会社をマネジメントする責任と苦労を実感しました。特にローカルスタッフとのコミュニケーションでは、文化の違いをしっかり理解していなければ大きなトラブルにつながります。例えば、何か指摘すべき点があっても、スタッフを人前で怒ることは絶対にしてはいけません。彼らの価値観を尊重しなければならない。接し方の工夫をはじめ、学びや気づきの多い日々でしたね。
松橋:
そうそう。マネジメントと一言でいっても、気を配るポイントが増えるんです。私もインドネシア法人では、業務フロー構築から労務、経理、人事まで、組織づくりにかかわる業務はすべて担当しました。それまで鋼材しかやってきませんでしたが、現地では機械も担当に。未知の土地で何も揃っていない現地法人で新しい領域への挑戦と、すべてが初めての経験でした。
幸運だったのは現地マーケットが成長を迎えるフェーズで進出できたことと、わからないことを教えてくれる現地のネットワークに支えられたこと。赴任して3年目には黒字化を達成でき、ローカルスタッフ5人、日本人駐在員2人を養える状態にまで事業を伸ばすことができました。ローカル企業との取引が多い拠点だったので、加工業務をインドネシア国内や台湾など様々な国にお願いし、できたものを買い上げるという日本ではなかなか実現できないダイナミックなスキームを組み立てることもできました。
海外で意識してきた働き方、これから意識していきたいこととは?
松橋:
人とのつながりを大事にお互いのためにビジネスに昇華させていこうという意識は常に持っていました。
泉:
海外駐在の面白さは、お客様を含む現地ネットワークが強固なところにありますよね。ゴルフや飲み会など距離の近い付き合いが多く「現地で仕事をするもの同士、協力し合おう」という仲間意識のようなものが、海外ではあるんです。日本では競合としてあまりコミュニケーションを取ることがないような商社同士の付き合いやメーカーとの連携も、よりオープンでフラット。だからこそ人脈をどうビジネスにつなげていくか、お互いWin-Winな関係をどう築いていくかは、大事な視点だったと思います。
松橋:
コミュニティに積極的に入っていき情報共有をしていると、仕事も円滑に進んだりするんですよね。ものづくりをしていない商社だからこそ、ネットワークの中で商売をしていく。商社らしい自由なスタイルを楽しみつつ大切にしていました。
紺野:
お二人の話を聞いていると、改めてまた海外に挑戦したいなと思えてきます。駐在員を経験して、貿易に関する知識や情報などを教えることが自分にできることのひとつかなと思いました。また、今後ローカルスタッフのマネジメントを任されるような機会があったら、日本で得た知識を役立てたいです。
そのためにも、まだまだ学ぶべきことは多いと思っています。
これから海外駐在を経験したい後輩や学生の皆さんへメッセージをお願いします。
松橋:
「海外で働きたい!」という目標を持つことは大事です。私自身も海外への憧れが仕事のモチベーションになっていたので、ぜひ手を挙げ続けてほしい。一方で国内にいても学びの機会はたくさんあります。海外に行かなくてもできることを見つける姿勢もまた、大切にしていってほしいですね。
泉:
海外駐在では自分で何もかもやらなくてはいけない厳しさがあります。自分のスタイルだけを貫きたい、定められた範囲だけで仕事をしていたい、というマインドでいると苦労することも多い。日本にいるときから日々の仕事が自分の成長につながると捉えて、何事もめんどくさがらずにチャレンジすることが、海外での活躍への近道になるのではないでしょうか。
紺野:
海外に行くチャンスは突如としてくるものだと思っています。私がメキシコ転勤の辞令を受けたときが、まさにそうでした。いつでも海外で力を発揮できるように、今置かれた環境で1日1日スキルを積み重ねていくことが重要です。